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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第99回)
「休日出勤しましたよ!」
誰の指示?手当を支払う必要は…?!
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SRネット大阪 (執筆担当は文末) |
| ■ 事例概要 |
「ちょっと働かせ過ぎたなぁ…」S社のY社長がため息をついています。その理由は、管轄の労働基準監督署から厳しい指導を受けたからでした。残業手当や休日勤務手当はきちんと支払っていたのですが、社員6人が毎月3〜4日の休日しかとっておらず、残業時間も毎月60時間以上という有様だったからでした。「この事態は社員を数人雇って打開するしかないな…」心を決めたY社長は、すぐさま求人活動を行い、1ヵ月後には3名の社員がS社に入社しました。
ある日のミーティングでY社長が全社員を集めて説明しました。「これまで随分無理をさせたが、これからは勤務シフトをきちんと組んで、休日出勤ゼロ、残業も毎月45時間以内になるようにするよ、君達も知っているように役所からも厳しく言われていることなので協力を頼む!」社員の中には不満をもらす者もいましたが、その場は大きな混乱はありませんでした。
その週のこと、社員のうち4名が所定休日に勤務していることがわかりました。Y社長が驚いて事情を聞くと「社長は簡単に考えているかもしれませんが、あの現場は新入社員じゃ無理ですよ、心配になったので付き添いましたよ」という者「休んでもやることないですから、溜まった書類を片付けにきました」という者「これまで通り働かなきゃ、生活できませんよ」という者、Y社長はあきれてしまいました。「俺が指示していないのに勝手に出勤されては困る、そのために社員を増員したのだから、休みはきちんと休んでくれ」社員達の気持ちも分かるので、穏やかに説得したY社長でした。しかし、その後の休日出勤は減ったものの、残業が一向に減りません。さすがのY社長も切れてしまい「自分勝手に働くな、俺の許可がない限り規定以上の残業代は支払わない、休日出勤も事前に許可を得たもの以外は支払わないからな!」と言い捨てました。
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| ■ S社の概要 |
創 業 平成6年 本社 大阪市
社員数 6名 パートタイマー2名
業 種 機械式駐車場の保守管理
経営者像 コインパーキングの保守管理を行うS社のY社長は45歳、同業の中堅企業を退職し独立しました。社員は20〜30代の若手ばかりです。運動部系のノリで、西へ東へ大忙しのS社の社員は、兄貴のようにY社長を慕っていました。 |
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| ■ 事故発生の背景 |
社員達を自由に働かせていた“つけ”が回ってきたS社です。いきなりの時間管理を強行して失敗した事例といえるでしょう。
指示・命令のない労働について、果たして対価を支払う必要があるのでしょうか、黙認・暗黙の指示、といった実態問題と、時間外・休日勤務の許可制、多くの企業がジレンマを感じているところではないでしょうか。
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| ■ 経営者の反応 |
「自分の担当先に責任を持て!といったのは社長ですよ、クレームがきて、すぐ来てくれ、と言われても、社長の許可がありません、と言ってよいのですか」「新入社員が辞めても、規定時間を超えているから、休日だからと言って助けませんよ」「先月の休日勤務手当が支払われないのは、許可を得ていないからですか?」全社員から突き上げをくらったY社長は、「少し考える時間をくれ…」というのがやっとでした。
行政指導と社員のモチベーション、社員の収入と経営上の問題、業務の特殊性…すべてがうまくいくようなことは、到底思いつきません。
確かに、コインパーキングの保守管理の仕事は突発的なことが多く、その都度社長の許可を得て動くことなど不可能に近いものがありました。また、遠くの現場に行けば、それだけ帰社するのも遅くなるし、修理に立ち会っていると数時間拘束されます。「この仕事は、法律通りに社員を使ってできるものじゃないな…」と愚痴をいいつつも、この窮地を乗り切るためには、相談先を探す以外にないと、Y社長は決心しました。
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