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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第102回)
「会社を辞めるなんて言っていません!」1ヶ月以上も無断欠勤していたのに…??
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SRネット東京 (執筆担当は文末) |
| ■ 事例概要 |
「Y社員が来なくなってからもう2週間ですが、そろそろ進退をはっきりしなければなりませんね」E社の幹部会議で、総務部長が発言すると、「すでに働く意思がないということだろう、営業成績も悪いし、借金もあるそうじゃないか…」C社長が応えました。
中途入社のY社員は勤続2年目の31歳、前職も営業社員でしたが、過去1〜2年で転職を繰り返していました。
「懲戒解雇は面倒ですし、無断欠勤の理由も分かりませんので、2週間以内に連絡がない場合は退職処理する旨の通知を送って、それで処理しましょう」と総務部長。
「母親に連絡を取ったのですが、またですか、という感じであきれていましたよ、会社の好きなようにしてください、といっていましたので、それでよろしいのではないでしょうか」営業部長が続きました。
「そうだな、じゃあうまくやってくれよ、後であれこれ言われるのは嫌だからな」とC社長が締めくくりました。
それから、1ヶ月程経った日、いきなりY社員が出社してきました。「サラ金業者がしつこいので、しばらく知り合いの家に身を隠していました。会社に電話すると居場所が知られると思い、連絡できなかったのです…」
C社長ら幹部は、なんだこいつ!と思いながらも、よくよく話を聞くと、たまたまやった競馬で大当たりし、その借金が全額返済できたので、一からやり直したい、ということでした。
「そんな自分勝手なこと言われても困るな…、君も社会人なのだから、1ヶ月以上も無断欠勤しておいて“また仕事します”は、ないだろう、君の退職手続は完了しているのだ!早く帰りたまえ!」
あまりのずうずうしさに、C社長は声を荒げてしまいました。「しかし、私は退職するとは言っていませんし、懲戒処分も受けていません…、でしたら勝手に会社が解雇したということではないのでしょうか?」 |
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| ■ E社の概要 |
創 業 昭和62年
本社 東京都世田谷区
社員数 22名 パートタイマー 5名
業 種 加工食品卸売業
経営者像 E社のC社長は二代目社長で63歳、小規模ながらも、総務・営業両部長(使用人兼務役員)と共に会社を成長させています。父親譲りの道徳観と性善説にたった労務管理をモットーとする日本的な正統派社長です。 |
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| ■ 事故発生の背景 |
E社が行ったY社員の退職処理が甘かったのでしょうか、それともY社員が屁理屈をいっているのでしょうか。無断欠勤をしばらく放置するような企業が多くなっていますが、これが一番の問題のようです。
最近では、うつ病の発症で無断欠勤するような事例も多くなっていますので、無断欠勤に対する効果的かつ法律上有効な措置を学ぶ必要があるでしょう。 |
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| ■ 経営者の反応 |
Y社員の異常なほど冷静な態度に驚きながらも「Y社員の言い分が通用するなら、自分勝手にいくら休んでも、会社は雇い続けなければならないことになる、そんなバカな話があるか!話にならん」C社長は今にも頭から湯気が出そうな雰囲気です。
一方、総務部長は、帰り際に言われた「少なくとも解雇予告手当と有給休暇の未消化分は請求しますよ、それから私の私物を無断で処分されましたから損害賠償もありますね、改めて連絡しますのでよろしくお願いします」というY社員の言葉を思い出していました。
「とんでもないヤツだ、塩でもまいておくか」と幹部たちが苦笑いしているところへ、総務の女性社員が一枚の紙をもってきました。それは、Y社員の有給休暇振替申請書でした。
「社長、先手を打つためにも、どこかへ相談しておきましょうか」という総務部長に「そうだな、Yのような人間は、懲らしめておかないとならない」とC社長が同意しました。 |
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