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中小企業経営者への法務実務アドバイス(第101回)

通勤手当はいりません!えっ、自転車で20kmだって…


SRネット石川 (執筆担当は文末) 


社会保険労務士からのアドバイス 税理士からのアドバイス
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事例概要
最近の自転車ブームで、H社にも“趣味が自転車”という者が多くなってきました。どうも、会社には内緒で自転車通勤をしている者もいるようです。
このような事態を心配したB総務部長がK社長に相談しています。
「社長、隠れて自転車で通勤している者がいるようですが、ここは再調査をして自転車通勤を禁止するようにしたいのですが…」とB総務部長がいうと「自転車?それは健康的で良いのですね、自転車通勤を許可して通勤手当の支給をやめたらいかがですか」とK社長が答えます。
「しかし、社長…交通事故の危険がありますし、雨の日は電車できました、なんて言われると精算が面倒ですよ、第一、会社には仕事でくるのですから、自転車通勤禁止!の方がよろしくないでしょうか」とB総務部長が食い下がりますが「そうすると、自宅最寄り駅までは自転車、という人も禁止ということになってしまうので、○km以上の自転車通勤は禁止、ということの方がよさそうですね」というK社長の意見に落ち着きました。

次の日に、自転車通勤に関する通達がH社全社員にメール送信されると、3人の社員がB総務部長のところにやってきました。
「私たちは同じサイクリング同好会に加入しています。日々の練習が重要なので、自転車通勤を許可していただきたいのですが…通勤交通費が問題になっているのであれば、それは不支給でも結構です!」
堂々とした物言いにB総務部長はあっけにとられてしまいました。「しかし、君達の自宅から会社までは、20km以上あるだろう、それを雨の日も風の日も自転車で通勤するというのかい?」社員達はいたってまじめにそれを肯定しました。「しかしね、交通事故の危険や帰宅時に過労運転みたいなことになってしまうと、会社も困るのだよ…」B総務部長は諭しながら3人を見渡しましたが、3人の社員も譲らない構えです。
「仕事はきちんとやっています!」

H社の概要
創 業   昭和11年 本社 金沢市 
社員数   41名 契約社員12名
業 種   市場調査業
経営者像  H社のK社長は創業社長で49歳、まだまだ若いK社長は、健康志向が強く、社員たちにもスポーツを奨励しています。“健康第一”“体が資本”をモットーに体育会系のノリで、明るい職場づくりを目指しています。
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事故発生の背景
多くの会社が通勤手段を規制していますが、管理状況を確認すると、結構ずさんな場合が多いようです。自転車、オートバイといった比較的目立たない手段で通勤することを、どこまで追求し是正すべきでしょうか。
最近では、自転車購入費を支払って、通勤手当を支給しない会社があるようですが、H社の社員たちの言い分を聞くことが、H社にどのようなリスクとなるのでしょう。

経営者の反応
社員たちは、自転車で通勤することを希望しているだけですし、会社は通勤手当分得するし、何もなければ、労使共にメリットのある話です。
「彼らは3人とも仕事ができるからなぁ、その自信もあって強行に出ているのだろう…どうするかな…通勤については使用者責任がないというが、あまりに無理なことを会社が許容していると思われてもいやですしね…」さすがのK社長も困ってしまいました。「社長、どこかへ相談しましょう。法的な見解や今後発生するリスクについては、我々だけでは答えが出ません…」B総務部長の提案に対し、K社長も同意しました。
「まずは、彼ら3人に少し時間をもらうように話をしておいてください、退職なんてことになったら、その方が大変です」
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